歯周病治療
歯周病は、歯そのものではなく、歯を支える土台である歯茎や骨が細菌感染によって破壊される病気です。
初期段階では自覚症状がほとんどないまま進行し、気付いた時には歯が揺れている、歯茎から血や膿が出る、といった深刻な状態に至ることもあります。
多くの患者様が「歯茎の腫れ」や「出血」を一時的なものとして放置してしまいますが、歯周病は放置しても自然に治ることはありません。
小宮歯科医院では、科学的根拠に基づいた精密な診査と、一人ひとりの状態に合わせた治療計画を通じて、歯を支える基盤を守り、長期的に安定した口腔内環境を維持するためのサポートを行っています。
小宮歯科医院における歯周病治療の取り組み
当院の歯周病治療は、患者様のお口の中を長期的に見守ることを前提としています。
担当衛生士制
歯周病治療には、短期間の治療だけでなく、日々の生活習慣やセルフケアの改善が欠かせません。
当院では担当衛生士制を導入しており、患者様のお口の状態を常に把握し、継続的なサポートを行います。
同じ衛生士が経過を追うことで、小さな変化にも気づきやすく、生活スタイルに応じた現実的なブラッシング方法をご提案できます。
レーザーの活用
エルビウムYAGレーザーを使用することで、歯周ポケット内の細菌を除去し、炎症を抑えます。
物理的な清掃に加えて、レーザーによる殺菌効果を組み合わせることで、歯茎の腫れを鎮め、治癒を促します。
熱の発生が抑えられたレーザーを使用するため、処置に伴う不快感の軽減に配慮しています。
段階に応じた具体的な治療内容
歯周病の進行度合いに合わせて、必要な処置を選択します。
ブラッシング指導
歯周病治療の基本は、患者様ご自身が行う毎日のセルフケアです。
歯茎の状態や歯並びに合わせ、どの部分に汚れが残りやすいかを確認し、効果的な磨き方を指導します。
細菌の温床となるプラーク(歯垢)を確実に落とす技術を習得していただくことが、治療成功への近道です。
スケーリング&ルートプレーニング(SRP)
歯茎の縁や歯周ポケットの深部に付着した歯石や細菌を、専用の器具を使用して除去します。
歯の根の表面を滑らかに整えることで、汚れの再付着を防ぎ、歯茎と歯の間の引き締まりを促進します。
中等度までの歯周病に対して重要な処置です。
歯周外科治療(フラップ手術)
スケーリングで除去できないほど深い歯周ポケットが存在する場合、歯茎を切開し、直視下で歯石や感染組織を取り除くフラップ手術を行います。
炎症の原因を直接除去し、清潔な環境を整えることで、組織の再生を助けます。
失われた骨を再生する:歯周組織再生療法
歯周病で一度溶けてしまった骨は、通常の治療だけでは元に戻りません。
当院では、骨の欠損状態や患者様の口腔内の環境に合わせて、以下の材料や手法を使い分け、歯を支える組織の再構築を目指します。
エムドゲイン(歯周組織再生誘導材料)
エムドゲインは、子供の歯が生えてくる際に重要な役割を果たすタンパク質を主成分とした材料です。
これを骨が失われた箇所に塗布することで、歯の周りに「歯の根と骨を結ぶ新しい組織」が生まれる環境を整えます。
生物学的なメカニズムを利用して、歯根膜というクッションの役割を果たす組織の再生を促すため、治療後の安定性が高いことが特徴です。
リグロス(塩基性線維芽細胞増殖因子)
リグロスは、細胞の増殖や血管の新生を促す成長因子を用いた再生療法です。
骨芽細胞の働きを活性化させ、欠損している部位に新しい骨が形成されるよう働きかけます。
保険診療としても認められている治療法であり、骨の再生を促進させることで、グラグラしていた歯の安定を図ります。
人工骨移植
骨の欠損が非常に大きく、エムドゲインやリグロスだけでは骨の形を維持するのが困難な場合、人工骨移植を行います。
生体親和性の高い人工素材を骨の欠損部に埋入することで、そこに患者様自身の骨が少しずつ置き換わっていくための「足場」を作ります。
これにより、骨の高さや厚みを回復させ、歯が本来の機能を取り戻せるよう支えます。
歯茎のバランスを整え、健康を守る:歯周形成外科(FGG・CTG)
歯茎が下がって歯根が露出すると、見た目の変化だけでなく、知覚過敏が生じたり、汚れが溜まりやすくなって虫歯や歯周病が悪化しやすくなったりします。
当院では、歯茎の健康と審美性を回復させるための外科的手術を行っています。
遊離歯肉移植術(FGG:Free Gingival Graft)
この手術は、歯茎の「厚み」を補強するために行います。
主に、歯周病や誤ったブラッシングで角化歯肉(硬くて丈夫な歯茎)が失われ、歯茎が下がってしまっている場合に有効です。
上顎の口蓋(上あごの粘膜)から、厚みのある健康な歯茎の組織を切り取り、歯茎が不足している部位に移植します。
移植した組織が定着することで、歯の周囲に「細菌の侵入を跳ね返す強固な歯茎」が形成されます。
これにより、炎症の進行を食い止め、長期的な安定を獲得します。
根面被覆手術(CTG:Connective Tissue Graft)
この手術は、露出してしまった歯根の表面を、歯茎で「覆う」ことを目的としています。
CTGは、FGGよりも審美性が高く、露出した歯根を自身の結合組織でカバーするため、自然な見た目に仕上げることができます。
上顎の内側から採取した結合組織を、歯茎の下に移植します。
これにより、知覚過敏の軽減や、汚れの溜まりにくい環境作り、そして何より歯茎のラインを整えることが可能です。
歯周病治療の仕上げとして、機能と見た目の双方を向上させるために実施します。
専門医の連携と判断の重要性
これらの再生療法や外科手術は、高い技術と精密な診断が求められます。
当院では、口腔外科の知見を持つ院長と、矯正歯科専門医である小宮瑠夏が連携し、お口の中を総合的に診査します。
「なぜ骨が減ったのか」「なぜ歯茎が下がったのか」
その原因を突き止めること
外科手術が本当に適応なのか、他の代替案はないか
慎重に判断すること
このプロセスを徹底することで、不要な手術は行わず、必要な箇所に適切な治療を施します。
歯茎や骨の再生は、単なる治療の一工程ではなく、あなたの歯を何十年先まで残すための重要な土台作りです。
「歯茎が下がってきた気がする」「歯が長くなったように見える」といったご不安があれば、放置せずにご相談ください。
状況を詳細に確認し、将来を見据えた最適な修復プランをご提案いたします。
通院を継続するために私たちができること
当院は、患者様との信頼関係を大切にしています。
歯周病治療には時間がかかることもありますが、その経過を共に追い、健康な状態を維持できるようスタッフ一同で取り組んでいます。
現状の説明
検査結果に基づき、現在のお口の状態を分かりやすく解説します。
不安の解消
治療の手順や費用について、疑問を残さない説明を心がけています。
継続のサポート
定期的なメンテナンスを通じて、再発を防ぐための体制を整えています。
歯茎からの出血や、なんとなく歯が浮くような感じがあれば、それは歯周病のサインかもしれません。
放置せず、早めの段階でご相談ください。
私たちと共に、健康な歯茎を取り戻し、守り抜いていきましょう。

