スポーツマウスピース

    競技中の接触から歯と脳を守り、本来のパフォーマンスを引き出すための歯科医学

    小宮歯科医院|薬園台(船橋市)の歯医者、小宮歯科医院のスポーツマウスピース

    ラグビー、アメリカンフットボール、ボクシングなどの激しいコンタクトスポーツだけでなく、サッカー、バスケットボール、野球、さらには格闘技やウィンタースポーツにいたるまで、スポーツ現場における接触や転倒によるお口の怪我は後を絶ちません。

    競技中に強い衝撃を受けると、歯が折れる、抜ける、唇や頬の粘膜を深く切るといった外傷が生じるだけでなく、強い噛み締めによって自身の歯にヒビが入ったり、顎の関節を痛めたりすることがあります。さらに深刻なケースでは、下顎への衝撃が脳へと伝わり、脳震盪(のうしんとう)を引き起こすリスクも存在します。

    これらの危険からアスリートの身体を物理的に保護し、同時に正しい噛み合わせによって全身の筋出力やバランス感覚をサポートするために開発されたのが「スポーツマウスピース(スポーツマウスガード)」です。

    小宮歯科医院では、口腔解剖学および噛み合わせ(咬合)の専門知識に基づき、選手一人ひとりの歯列や競技特性に合わせたカスタムメイドのスポーツマウスピースを作製しています。

     

    スポーツマウスピース(マウスガード)の目的と基本的な役割

    小宮歯科医院|薬園台(船橋市)の歯医者、小宮歯科医院のスポーツマウスピース

    スポーツマウスピースは、主に上顎の歯列に装着する弾性のあるプラスチック製の装置です(競技によっては下顎、または上下に装着する場合もあります)。その主な目的は、スポーツ活動中に発生する予期せぬ衝撃を吸収・分散させ、頭頸部全体の組織を保護することにあります。

    歯科医学的な視点における主な役割は以下の4点に集約されます。


    外力からの緩衝作用
    他の選手との衝突、ボールや器具の衝突、地面への転倒時に、前歯などに直接加わる急激な衝撃を吸収し、破折(歯が折れること)や脱落(歯が抜けること)を防ぎます。

    軟組織の外傷予防
    衝撃を受けた際に、自分の歯が刃物のようになって唇、頬の粘膜、舌などを強く傷つけてしまう「裂傷」を防止します。

    顎関節の保護
    下顎への急激な突き上げ衝撃が発生した際、下顎の骨が頭蓋骨の底部にある顎関節の窩(あな)に強く衝突するのを防ぎ、関節内部の軟骨や靭帯、骨の損傷を和らげます。

    脳震盪の予防・軽減
    下顎に加わった衝撃は、顎の関節を経由して直接脳へと伝わります。マウスピースが適度なクッションとなり、噛み合わせの面全体で衝撃を分散させることで、脳への振動の伝達を減減少させ、脳震盪のリスクを低減させます。

     

    「市販品」と「歯科医院のカスタムメイド品」の決定的な違い

    スポーツマウスピースには、スポーツ用品店で購入できる「市販品(マウスフォーム型など)」と、歯科医院でお口の型を採って作る「カスタムメイド品」の2種類があります。
    一見すると同様の目的を果たすように見えますが、その適合性や安全性、競技に与える影響には大きな違いがあります。

    比較項目 市販品(スポーツ用品店など) 当院のカスタムメイド品(歯科医院作製)

    作製方法

    お湯で温めて自身で噛んで形を整える

    歯科医師が精密な型取りを行い、専用機器で圧空・吸引形成する

    適合性(フィット感)

    隙間ができやすく、口を開けると落ちてきやすい

    歯列や歯ぐきの形状に寸分の狂いなく密着し、落ちない

    呼吸・会話のしやすさ

    厚みが不均一になりやすく、呼吸が苦しい、話しにくい

    必要最低限の厚みで精密に設計するため、呼吸や声出しがスムーズ

    噛み合わせの調整

    正しい位置での噛み合わせ調整ができない

    顎の関節の位置と調和した正確な噛み合わせを付与する

    保護能力(安全性)

    衝撃がかかった際に外れたり、突き抜けて歯が折れることがある

    適切な厚みが均一に確保されているため、衝撃分散能力が高い

     

    市販品に潜むリスク

    小宮歯科医院|薬園台(船橋市)の歯医者、小宮歯科医院のスポーツマウスピース

    市販のマウスピースはお湯で軟化させて自分で噛んで形を作るため、咬みきってしまった部分が極端に薄くなったり、逆に余分な部分が厚くなってお口の中でかさばったりします。

    適合が悪いために、競技中に「手で押さえていないと落ちてしまう」「声を出そうとすると外れる」といった状態になりやすく、集中力を削ぐ原因になります。
    また、最も危険なのは、正しい噛み合わせの位置が考慮されていないため、強く噛み締めた際にかえって顎の関節を痛めたり、特定の歯に負荷が集中して歯の寿命を縮めたりする可能性がある点です。

     

    歯科医院作製のカスタムメイド品の優位性

    小宮歯科医院|薬園台(船橋市)の歯医者、小宮歯科医院のスポーツマウスピース

    歯科医院で作製するマウスピースは、専用のシリコン等で精密な歯型の模型を採り、専門のシート素材を特殊な加圧・吸引マシンを用いて模型に圧着させます。そのため、歯の1本1本の凹凸や歯ぐきのラインに狂いなくフィットします。

    口を開けても、息を切らして呼吸をしても、あるいはチームメイトに大声で指示を出しても外れることがありません。さらに、歯科医師が顎関節の動きと連動した「正しい噛み合わせのバランス」をミリ単位で微調整するため、安全かつ体幹の安定に寄与する装置となります。

     

    小宮歯科医院におけるスポーツマウスピース作製のプロセス

    当院では、単に型を採って形を作るだけでなく、個人の噛み合わせのバランスを精密に再現するため、以下のステップに沿って丁寧に作製を進めます。

    • STEP 1口腔内診査とカウンセリング
      まずは現在のお口の中の状態を詳しく拝見します。大きな虫歯があったり、歯石が大量に付着していたり、重度の歯周病で歯が動いている状態のままマウスピースを作製してしまうと、適合が悪くなったり、装着時に強い痛みを伴ったりします。治療が必要な箇所がある場合は、原則として先に歯科治療を完了させてから作製へ移行します。また、この段階で「どのような競技を行っているか(接触の有無、瞬発系か持続系かなど)」をヒアリングし、シートの厚みや設計を決定します。
    • STEP 2精密な型取り(印象採得)と噛み合わせの記録
      上顎だけでなく下顎の歯型も正確に採取します。さらに、選手が最も力を入れやすく、顎関節に負担をかけない「理想的な噛み合わせの位置(咬合位)」をワックス等を用いて記録します。このデータが、市販品には真似できない「パフォーマンス向上」のための核となります。
    • STEP 3専用機器による精密作製
      採取した模型をもとに、専用の熱可塑性シート(EVA素材など)を特殊な加圧・吸引形成器を用いて加工します。均一な厚みを保ちながら、歯列の細部まで密着する装置へと仕上げていきます。競技の規定に合わせて、カラーやデザイン(クリア、ブラック、チームカラーなど)の選定も可能です。
    • STEP 4お口の中での試着・最終微調整(約2〜3週間後)
      完成したスポーツマウスピースを実際にお口の中に装着していただきます。「歯ぐきの深い部分に当たって痛むところはないか」「口を開けたときに自重で落ちてこないか」「上下を噛み合わせたときに、左右均等に力が分散しているか」これらを歯科医師の目と患者様の感覚ですり合わせながら、細かく削って調整を行います。すべての条件をクリアした段階でお渡しとなります。
    • STEP 5定期的なチェックと更新
      スポーツマウスピースは、使用を続けるうちに少しずつ摩耗したり、噛み締めによって変形したりします。また、学生の方や矯正治療中の方の場合、歯並びや顎の骨格そのものが変化していくため、定期的な(半年に1回程度)チェックが必要です。合わなくなった装置を使い続けると、かえって歯並びを悪化させる原因になるため、適切なタイミングでの新調を推奨しています。

     

    よくあるご質問(FAQ)と回答

    Q. 矯正治療中ですが、スポーツマウスピースを作ることはできますか?
    A. 歯列矯正中の場合、歯が常に少しずつ動いているため、完全に固定されたタイプのカスタムマウスピースを作製すると、歯の移動を妨げてしまうか、数週間で入らなくなってしまいます。ただし、接触の激しい競技でどうしても保護が必要な場合は、現在の矯正装置(ブラケット等)を保護しつつ、ある程度の歯の移動を許容できる特殊な設計のマウスピースを歯科医師の判断のもと作製することが可能です。まずは現在の矯正の進行状況と合わせてご相談ください。
    Q. マウスピースをつけると、呼吸が苦しくなったり声が出せなくなったりしませんか?
    A. 市販の分厚く適合の悪いものではそのような問題が起きやすいですが、当院のカスタムメイド品ではその心配はほとんどありません。お口の天井部分(硬口蓋)や奥歯の後ろ側など、発音や呼吸の妨げになる不要な部分を精密にカットし、必要最低限の適切な厚みで設計するため、装着した状態でもスムーズに空気を吸い込むことができ、チームメイトへの声出しや指示出しも問題なく行えます。
    Q. 1回作れば、何年間くらい使い続けることができますか?
    A. 成人の場合、お口の環境が大きく変わらなければ1〜2年程度が一般的な目安となります。ただし、週に何度も激しい練習を行うアスリートや、食いしばる力が極めて強い選手の場合、噛み合わせの面がすり減って薄くなるのが早いため、半年に1回程度の頻度で厚みの確認を受けることをお勧めします。また、成長期の小・中・高校生の場合は、顎の骨の成長や親知らずの萌出、生え変わりによって数ヶ月で合わなくなることがあるため、骨格が安定するまではこまめな作り替えが必要です。
    Q. 下顎用のスポーツマウスピースは必要ないのですか?
    A. 基本的には、衝撃を受けやすい前歯が露出している上顎のみに装着するのが世界的な標準です。上顎にしっかりと固定されたマウスピースがあれば、下顎が突き上げられたときも上顎のマウスピースと噛み合うため、クッション効果を発揮します。ただし、ボクシングなどの特定の打撃系格闘技や、一部の特殊な競技特性によっては、下顎の保護や特定の噛み合わせ固定のために上下両方に装着、あるいは下顎用にカスタムする場合もあります。
    Q. 虫歯治療の途中で型を採って作ることは可能ですか?
    A. 原則として、虫歯の治療が終わってから型取りを行います。なぜなら、虫歯を削って詰め物をしたり、新しい被せ物を入れたりすると、ミリ単位で歯の形(外形)が変わってしまうためです。治療途中の段階で型を採って作製すると、治療完了後に新しい被せ物が入った際、マウスピースがキツくて入らなくなったり、逆に緩んで外れやすくなったりします。大会の予定などでどうしても至急必要な場合は、応急的な処置を施した上で設計を工夫しますので、事前にご相談ください。

     

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